6 見よ、あれが来々軒の灯だ!

私が来々軒に通うようになってから、もうかれこれ20数年にはなるでしょう。
今は放出駅界隈も随分明るく賑やかになりましたが、昔はまだまだ夜は暗く、飲食店も早く閉まってしまい。深夜に放出にたどりつくと食事する所などほとんどなく、その中で放出駅前界隈で唯一明かりが点いているのが来々軒だったのです。当時は深夜2時頃までやってました。暗い街に来々軒の小さな赤提灯がアクセントを与え、さながら灯台のような雰囲気を醸し出しております。
私は約20年間、仕事で名古屋と大阪とを行き来する生活を続けましたが、終電で放出に帰ることも多く、そんな時来々軒の赤提灯は我が家に帰ってきたという安堵感と安心感でまさに灯台のような存在でありました。仕事の疲れと喉の乾きを美味いビールで癒したものです。

レッスンの生徒さん達もたくさん連れてきましたよ。例えば、しばらく前までレッスンに来ていた俳優の「国木田かっば」さん。彼などはこの店の大ファンでした。

酔いも少し回ってきたのでそろそろお開きにしましょうか。

いえいえ、今日も私の奢りです。

ご馳走さまでした!

気をつけてお帰りください。

尚、この文を書いている7月28日現在、来々軒は店主の病気療養のため休業しています。来々軒のファン一同、早い再開を待ち望んでおります。