◎5 アマオケへの提言

オーケストラにはもうひとつ重要な問題があります。
それは何でしょうか?
人が集まればそこには必ず意見の食い違いが起こります。
そう、人と人との心の問題です。
プロオケの場合は金で雇われているため、皆ある程度我慢をしているので表面化することは比較的少ないのですが、それでも気持ちのぶつかり合いによるトラブルは当然起こります。
アマチュアオケなどは皆趣味でやっている人達の集団ですので、我が儘の坩堝となることが実に多く見られます。我が儘が人の心を盲目的にしてしまいます。そこは理性と良識で乗り越えるべき問題です。

その団体には当然力の強い者が中心となり、強い者同士の力関係が生まれ、ひとつのオーケストラにいくつかの派閥が生まれるということになります。更に悪いことに派閥同士でいがみ合い、イジメに発展することさえもざらです。
これはプロオケにもあることで、私もそれらの醜い争いやイジメを沢山みてきました。
他のサークルなどでは良識的に理性で行動できた人が、どうして音楽をやるとなると盲目的になるのか不思議です。芸事だから許されるとでも言うのでしょうか。
貴方の所属するオケがそんな団体なら、即退団するべきです。

私の知っているあるアマチュアオケは二つの大きな勢力による我が儘のぶつかり合いによって二分され、結局、二つのオーケストラに分裂してしまいました。それで別れた後も自分のオケが本家だ、いや、うちのオケが本家だと言い張っていたという、そんなお粗末な話もあります。このオケは社会的地位のある人の集団であるというからさらに驚きです。(ここまで言うと、それがどのオケか判ってしまうかも知れませんが…)
同じ音楽をやる仲間なのに悲しいことです。
結局、自分だけが目立ちたいだけではないの?
それか、普段よほど酷いストレスを溜めて生きているか、そのどちらかでしょう。
音楽を見栄のために、ストレス発散のために使われたら作曲家も浮かばれません!
プロ、アマ問わず本当に音楽を大切にし、大作曲家の芸術に共感したいのならこんなくだらないことにはならないでしょう!

とにかく芸術を感じなければなりません。
音楽が好きでなければなりません。

現状では、オーケストラに入って大きな音をぶちまかし皆を驚かせたり(金管楽器奏者に多い)いい格好がしたい、女にモテたい、そんな雰囲気が見え見えなのです。芸術がそっちのけになっている感じさえします。
ここら辺でもっと芸術に立ち返らなければならないと思います。

最高の演奏形態、オーケストラをする意味をもう一度考えてみるべきではないでしょうか。

終わり