しばらく前にヴィブラートについてお話しましたが、今回はその応用編として再びヴィブラートの方法を説明します。
 
たとえば隣り合った音あるいは隣の指に音が移動するとき、ヴィブラートが途切れてしまい、どうしても音が上手く繋がらない、という悩みを持っている方は多いのではないでしょうか。
次の音に移る時、各音のヴィブラートを一旦止め、再びかけ直しながら弾いている人はよく目にします。なかには単音ではとても美しい音なのに、複数の音を弾けばメロディーとして繋がって聴こえない、という人も多々目にします。これでは弾く方も聴かされる方も欲求不満がたまるばかりです。
 
これらの原因として考えられる最大の理由として、メロディーを歌として歌えていないということがあげられます。あるいは歌い方を知らないとも言えるでしょう。ヴィブラートは関係無いと思います。
 
反対に言うと、しっかり歌えていれさえすれば、たとえヴィブラートが途切れていようがいまいが、かかっていようがいまいが聴く方は歌として感じることができ、安心して聴けるはずです。むしろ、かかりっぱなしのヴィブラートを不快感として感じるのではないでしょうか。
 
では、歌い方の基本とは何か?
 
簡単に言ってしまえば、ひとつの音には必ず、行き着くべき目的地があるということ。ひとつの音は必ずどこかに向かおうとします。
そこには感情の変化、色彩の変化を伴う。たとえば、ドの音からレの音にかわる、これだけでも劇的に気分は変わるはず。ドはレに行こうとするのです。ドからド#ならもっと微妙な、あるいは強烈な感情を伴うでしょう。
それが感情の動き、すなわち歌おうとする気持ちの原動力でもあるのです。歌うことは感情の動きそのものなのです。たとえ同じ音の連続であっても(これはどうして同じ音ゆえ単調になり勝ちですが)、気持ちの変化を起こさせるべきです。
これが歌うことの究極の方法なのです。
 
しかし、そうは言っても現実問題として途切れるヴィブラートはなんとかしなければなりません。
 
次に、具体的にヴィブラートを途切れさせず、美しくメロディーを奏でる方法を考えてみましょう。
 
◎メソード 2本(複数)の指で同時にヴィブラートを!
 
まず、A線の第1ポジションC→C#→Dへ、(ド、ド#、レ)つまり2から3、4の指へヴィブラートを途切れさせず滑らかに音を移行させる方法を説明します。
 
写真①②③のように、ヴィブラートをまずドの音で
指を1指と2指の2本ずつで同時にかけます。かけたまま3指をド#に置きます。その時、3指は置く前からヴィブラートをかけてください(たとえ押さえなくても1本にかければ同時に他の指もヴィブラートはかかっているものですが)。3指を置くと同時に1指を弦から離します。同じ要領でレの音(4指)に移行させるのです。音が下降する時も要領は全く同じ。
つまり、常に2本の指にヴィブラートがかかっていることが理解できると思います。
次の音へ移行するほんの僅かな瞬間、複数の指が同時にヴィブラートがかかっている瞬間を作り出せば良いのです。2本指で音が移行してしまえば、後は安心。指1本になっても途切れることなくヴィブラートはかかり続けることでしょう。
 
このテクニックは離れた指に移行する時にも応用できます。
たとえば1指から4指に移る時など、一瞬2、3、4の指3本にヴィブラートをかけるようにすれば良いのです。
ポジションが移動する場合でも考え方は同じです。まず複数の指で移動が始まり、複数のゆびで目的音を取る(目的音に着地する)ことは重要なテクニックです。
 
応用テクニックとして、メロディーの途中にに解放弦(0)を経由する場合、ゆっくりしたメロディーなら解放弦の上空に上げた指だけでヴィブラートをかけるようにすれば、解放弦と弦を押さえた時との音のギャップが少なくなりより滑らかに聴こえるでしょう。
 
どうですか?
理解していただけたでしょうか。
実際に楽器を弾きながら説明すればもっと簡単に理解できるはずなのですが、、
 
興味のある方は是非私の体験レッスンを受けてみてください!
お待ちしております!Effect_20180330_060027Effect_20180330_060123Effect_20180330_060223