◎ 続き

まず初めにできることは、今までCDやコンサートなどで盛んに聞いてきた良い演奏悪い演奏を含めてすべてをとりあえず一旦忘れ(一度身についたものは決して忘れることはできないのですが、取りあえず棚上げにします)、初めて見る楽譜のように、もう一度初めから見直してみることです。
この時は実際に音は出さず、まず楽譜を眺めるだけの方が冷静さを保って頭に音楽を描きやすいものです。それで見えてくるものは多いでしょう。楽譜は見ているようで案外早合点で弾いているものです。また音に出してしまうと、一瞬にして頭の片隅にあった先入観で薄汚れた音楽がよみがえり、邪魔をするのです。
テンポなど、細かいパッセージなどが無理なく演奏できる速さが、たとえテンポの指定があったにせよ、その人にとっては最も良いテンポです。又は先日音の密度のお話で説明したように、テンポやパッセージに合った弾き方を編み出す、という考え方も成り立ちます。
合奏ではすべての人が納得できるテンポを割り出すこと。その意味では、合奏は同じような物の考え方、または同じような演奏レベルの人が集まることが最も演奏も上手くいきます。
それでないと楽しいはずの合奏がストレスの塊になってしまうでしょう。
速度表示や感情表示、デュナーミクを理解するにはもうひとつ良い方法があります。
それは言葉をイタリア語などの語学辞書で調べることです。これでその言葉が持つ本来の意味を知ることができます。
まあ、とにかく心を無にして純粋に楽譜を読むことが最善の方法なのでしょう。
写真のネガがポジに反転するように、色々なことが見えてくるはずです。
終わり