音楽家にとって必要な性格とは?

皆さん意外だと思われるでしょうが、それは引っ込み思案の性格です。内向的でいつも意識が内面に向かっている人。
どんな事にもマイナス思考的な考え方をする方も良いですね!
芸術家には最高です。
外向的だったり楽天的な性格は真の芸術家には向きません。この性格は少なくとも芸術創造にとっては何の役にもたたないばかりか、むしろ害にしかならないのです。(しかし自分で楽しむのには何の問題もありませんが…)

このブログを読んでいる内気で引っ込み思案で内向的、物事をネガティブにしか捉えられなくて悩んでいるあなた!勇気を持ってください!世界は貴方のそのよう才能を待っているのです。

常に自分の殻に閉じこもり、自分の考えや行動を批判し続ける。自分だけを見つめ続ける。常にしつこく過去の失敗にこだわり続けている。自分を責め続ける。いわゆるマイナス思考の持ち主。一見暗くて世間ではあまり好まれないタイプですね。理解もされないでしょう。
しかし、実はこのような性格の人達が芸術の世界を引っ張ってきたのです。芸術だけでなくあらゆる分野においてもこのような人物が結果として人類の精神的な繁栄をもたらしてきたのかも知れません。
ベートーベンも基本的には内向的な性格で鬱に悩まされ続けました。(後世の人間は残された手紙や周りの証言で判断できるのです)明るくて外向的、ポジティブでいつも元気なベートーベンなど想像出来ますか?
モーツァルトも彼自身、自分の内面を見続けてきたのであれだけの人の悲しみ寂しさを受け止められるだけの作品を残せたのだと思います。
ブラームスも内気だったからこそあれだけの心に迫る名作を残せたのです。その他の大作曲家も数えればきりがありません。中にはムソルグスキーのように精神疾患から来るアルコール依存で身を滅ぼす作曲家もいました(アル中は良くないことですが)。絵画の世界もそうです。ゴッホなどもしも楽天的でプラス思考の持ち主ならあれ程の作品は残せなかったでしょうし、自分の耳たぶを切ったり自殺をすることもなかったはずです。
演奏家もそうです。
大演奏家の中にもカザルスのように内向的で神経質な方は無数におられます。カザルスのあの常に自分自身に問いかけているような演奏。あれを聞けば楽天的な性格では絶対不可能だとわかるでしょう?
文学などその最たるものです。
すべての文豪を例にとっても、内向的でない作家など想像することなど出来ますか?
内気だからこそ文学の世界にのめり込んでいくのです。明るく外向的な作家もいるじゃないか、とおっしゃる方もおられるでしょう。でもそれはそのように見えるだけ。その作家はそのように明るく振る舞っているだけなのです。
芸能の世界でも、有名人でありながらも本当の姿は普段とは正反対。神経質で人付き合いが悪く無口、自分に厳しく常に反省を繰り返している。こんな人がほとんどです。

世間ではマイナス思考はすべて悪。プラス思考だけが持て囃されるのが現実ですが、実は過去へのこだわり、つまりマイナス思考こそがより良く新しい物を生むのです。

私が言いたいことは《楽天的に過去の失敗をいちいち忘れていたら、より良いものなど生まれますか?》ということです。

内向的な人は常に自分のやった事を批判し続けます。
内向的な本人自身にとっては苦しいだけで、性格上なかなか意識することは出来にくいのですが、結果としては無意識に新しく良い物が生まれやすい状態に自分自身を追い込んでいるとも言えるのです。

終わり