◎其ノ六
テンポを感じる  続き

単純なことですが、この動作を習熟させることによって身体には微かなテンポ感の萌芽が確実に発見されることでしよう。アンサンブルに於いても、いち早く全体の流れが把握されに身をまかせることができると思います。
足先でテンポをとることに慣れてくれば、その動作を身体の他の部分に移していきましょう。
足でテンポをとることはとても楽なのですが、やり方によってはとても見苦しく、目障りになるので気をつける必要があります。雑音など出そうものなら“大ひんしゅく”をかってしまいます。
足ではテンポをとり続けるのは困難で、ついつい休みがちになります。

ではどこでテンポをとればいいのででしょうか?

それは“舌”です!

足でテンポをとるとなれば場合によれば身体全体が動いてしまうこともあり、とても幼稚で見苦しい動作になってしまいますが、その点、舌は一切身体の動きは伴いません。そしてどんなテンポやリズムにも対応できる利点があります。ダウンビートもアップビートも舌のTとKの発音だけで事足りるのです! リズムを分割する時、三連符ならTkt又はTkkなど、四連符ならTktkになります。これは舌が脳に近く声を作り上げる繊細な器官であるため、より迅速にテンポを身体に流しやすくテンポに乗せやすいという利点があります。
私はこの方法をフルートのタンギングから発想を得ました。

皆さん、アンサンブルをもっと楽しみましょう!
今日はこれにて終わりにさせていただきます。