◎第四話
チェロの発音 1

今日は誰でもチェロが上手になる方法をお教えしましょう。

さて世の中にはなかなかチェロが上達しなくて悩んでいる方はたくさんおられることと思います。
上手く聞こえない原因は一体どこにあるのでしょうか?
その原因のひとつに音程の悪さということが考えられます。
ではなぜ音程がうまく取れないのか?

それは自分のチェロの発音が悪く音の歯切れが悪いことが原因で自分の音がはっきり聞き取れていない、聞けていないことが原因になっていることがとても多いと感じます。
これはどんな楽器や歌にも言えることです。例えばピアノは幸い音程が狂うことはありませんが、タッチが悪いことが発音の悪さにつながり、結果としてミスタッチが多くなる。それではなかなか上手には聞こえないものです。その意味においてピアノでも発音の良さは上達するために求められるとても大切な条件です。

では次に、人はどんな時にあの人の演奏はあまり上手ではない、と感じるのでしょうか。やはり発音が悪い、音の立ち上がりが不明瞭だという演奏を聞いた時ではないでしょうか。
チェロの場合、音程の悪さも発音が良く、とてもクリアな音色で弾いた時には程度にもよりますが、それほど目立たないものです。ですが、発音が不明瞭で透明感の無い音で弾くといくら音程が良くてもなかなか上手くは聞こえてこないものです。人はそんな演奏には即座に下手という判断を下すでしょう。
音程の悪さも発音の仕方で改善できます。
発音の良さを追求することは上達の早道でもあるのです。
具体的にどんな時に発音が悪く、音が不明瞭に感じるのかといえば、まず音の出だしがはっきりせず、音が潰れていたりかすれていたりすることです。
次に弓の動きと左指の動きが一致しない、ズレているということがあげられます。
この改善法を順に説明していきます。

続くuntitled