さらに九響のこと

九響もやがてメンバーも増え組織も安定してくると“プロ化”へという動きが芽生え始める、という流れはどこの地方オーケストラにも共通しています。
九響も演奏回数も増えメンバーも東京や大阪など他の地方からも招き入れ、県や市の援助、企業からの援助も受けることが出来ますます活動は充実度が増してきました。本格的なプロオーケストラの始まりです。

当初創立当時のメンバーは主力メンバーとして活躍されていました。ところがある時、経営者及び事務局の方針が変わり、今まで主力だった創立当時のメンバーの契約が変更される事になったのです。つまり給料が毎月の演奏会の数によって決まる、ということになりました。席順も新にオーディションを受けて入ったメンバーを前に上げ、古いメンバーを後に下げたのです。給料も新しいメンバーは固定給へと。
この方針は古いメンバーからはかなり反発を受けたようです。それは当然でしょう。自分達が作り上げたオーケストラからクビを言い渡されたようなものですから。
しかし其ノ十三でもご紹介した穴山さんご夫妻のように喜んで後進に席を明け渡された方もおられます。

次にお話しするヴィオラ奏者の西島進さんもそのお一人です。