◎ 年の瀬、今年もあと僅かです。
季節はクリスマスですね!
一年経つのはほんとに速いものです。
歳と共にますます速くなっていくような気がします。
子供の頃は一年がほんとに長く12月が待ち遠しかった。
私も周りと同じように子供の頃はこの時期が最も好きでした。何と言ってもクリスマスの後は、さらにお正月が控えているのですから。
 
小さい頃はクリスマスツリーなど買ってもらえず、どこかで枯れ枝を拾ってきてそれに脱脂綿をのせガラスの玉などをぶら下げ自作したものです。
サンタクロースのろうそくを点し、その幻想的な光にろうそくがなくなるまで飽きずにずっと眺めていたのを懐かしく思い出します。
今でもろうそくを点して食事をしたりするのは大好きです。そして子供の頃感じたあの幻想的な光を再現するのです。
その後、大人になりスイスやドイツで体験した日本とは全く異なる静かな素晴らしいクリスマスを体験した時、すでに忘れていた子供の頃に感じたあの静かで幻想的な感覚が蘇り、孤独な外国人留学生にとってはその温かくて懐かしい雰囲気に慰められ思わず涙がこぼれるのでした。

ヨーロッパはろうそくを点す習慣がクリスマスだけでなく普段の生活に本当に深く浸透していますね。どんな家庭でも夕食の時は大抵ろうそくの光の元でとります。ろうそくの光は皆の心をひとつにしてくれます。ですから家庭のだんらんが成立しやすいのです。
日本でも昔は囲炉裏などで火を囲んでいたのです。
蛍光灯では苛立った気分が落ち着くということはなく、外のけばけばしいストレスをそのまま持ち越してしまいます。だいいち料理も美味しくは見えません。

ヨーロッパでは家の中も街も夜は適度に暗いものだという意識があるのでしょう。ですから歴史的建造物もライトアップが暗めですから本当に美しい!
暗さを楽しんでいるような雰囲気すら感じられます。それに対して日本の都会の夜は暗さに恐れを感じるごとく、隅々までやたらと明るくしたがります。
我らが大阪城のライトアップなどまさに悪趣味の極致で、あの目が痛くなるような真っ白な明るさはグロテスクとしか言いようがありません。

蛍光灯やLEDの明かりは寒々しく、精神が落ち着きません。今流行りのLEDのイルミネーションもどこか寒々としてますよね!
あれに群がるとは、なにか明かりに集まる虫のようであり、どこか滑稽さを感じます。
街路樹にLEDランプをくくりつけるのも木がかわいそう!夜を昼と勘違いすると聞いたことがあります。

日本の都会の夜もせめてクリスマスや正月くらいは照明を暗くして心に帰る工夫をしてみてはどうでしょうか。そしてドイツ人やスイス人のように早く家に帰って家族とのだんらんを楽しみたいものです。

終わり