◎1 糸巻きについて

チェロを愛好する皆様。貴方のチェロは元気に音楽を奏でていますか?今回はチェロの部品についてのお話です。

チェロの演奏を日々快適なものにするためには、楽器のコンディションの良さが常に求められます。そこで演奏者が自ら出来る範囲で、日常的な楽器のメンテナンスを行うことは絶対に必要不可欠なことです。各自簡単に出来る方法など、思いつくことを述べてみたいと思います。

まずはペグ(糸巻き)。

チェロには四つの糸巻き(ペグ)が取り付けられています。
いろいろな色や形がありますね。
性能としてはローズウッド(紫檀)の物が一番優れています。
黒檀の物に比べると適当な弾力があり油分もあるので、しっかりと留まります。黒檀製は油分もあって良く留まるのですが、音色はローズウッドの方が明るくて良いと思います。ボックスウッド(柘植)製の物は軽く弾力も弱く脆いので取り扱いには注意が必要。ヒルモデルではエッジか鋭いので欠けにご注意。軽い分、音も明るくて軽く、古くて板が薄い楽器にはとてもよく合います。透明な音がします。
糸巻きの形はなるべく円くて角が無いもの、飾りの無いものを選びましょう。金属の飾りがある物は木材の痩せにより、必ず雑音の原因になります。
角ばっている物は回すとき指が痛くなるので避けます。
糸巻きに弦を適当に巻き付けて張っている人を多く見受けますが、いつも弓で弦を弾きながらチューニングが出来るように最適な角度になるよう弦の端を合わせる習慣を持ちましょう。
本来チェロのチューニングは“ペグだけでやるもの”です。アジャスターに頼り過ぎるのはよくありません。ガット弦ではアジャスターはまったくの無力になるのでペグの留まりや角度の重要性を痛感することでしょう。
ペグの留まりが悪い時は一度ペグを外し、楽器との接着面を布で拭き、その後ペグコンポジション(滑り止め)を塗ります。チョークは穴を拡げてしまうのでNG!回しにくい時もコンポジションを塗ります。回しにくい時は弦と楽器側が密着していることも原因となっていることが多いです。そんな時は弦の巻きの端を楽器から離して巻きます。糸巻き(ペグ)は後でお話しするテイルピースと同じ材質の物をえらびます。普及品で化学樹脂や金属でできたテイルピースがありますが、この場合こだわる必要はないでしょう。

つづく