◎4 テイルピースについて

テイルピースは一般的に糸巻きと同じ材質、スタイルの物を使用することになっていますがそれは美観だけの問題であっと、別にちぐはぐでも音の面では何の問題もありません。見かけよりもむしろ音色にこだわるべきです。
チェロではアジャスターが始めから組み込まれている物が主流です。
本来アジャスターなど何も無いのが音色のためには良いのですが、昨今ガット弦を使う人が少なくなったこともアジャスター無しのテイルピースを少なくさせた原因でしょう。
本当に良いテイルピースを手に入れることは難しくなりました。
大阪天満橋の製作家の山本正男氏は自作のチェロにはテイルピースも自作されておられました。彫刻入りでとても格好良いのです。
私が現在使用しているのはフランスのルボア社製の物です。材質はよく分からないのですが色もローズウッドの糸巻きとよく合い、とても軽く材質も硬く音色も透明なので長年使っています。テイルピースガットも同じメイカーのカーボンファイバー製の物を使っています。カーボンファイバーは鉄の十倍強く、伸びがなく、しなやかなので利用価値はあります。塩化ビニール製のものを使っている人がほとんどですが、ネジの部分から切れる心配があり、数年に一度は取り替える必要があります。私も一度切りかけ、恐ろしい思いをしたことがあります。テイルガットの材質として、チタン、タングステンなどがありますがすべてネジの強度に問題があります。そして金属製品は下駒に深い溝を作ってしまいます。音色が最も良いのは本物のガットですが、使っている間にどんどん伸びるので取り扱いはひどく面倒です。

つづく