最近ではハードケースの重さがが軽くなったり、中国製の安価なケースが出回るようになったため、アマチュアでもハードケースを使う人が多くなりましたね。ソフトケースを使っている人などほとんどみ見かけなくなりました。楽器のためには喜ばしいことです。

私がチェロを習い始めた頃はもちろんソフトケース。それも今の物に比べるとそれは粗末なもので、特に雨の日などは最悪で、雨を吸い込み今のハードケースより重くなりました。乾かすのも大変で、なかなか乾いてくれない。よく皆あんな粗悪なものを皆使っていたものだと思います。
私が初めてハードケースを手にしたのは大学3年のころでした。
その時のケースはドイツのゲッツ社製の物でとても重く、ケースだけでも10㎏近く、楽器を入れると13㎏ぐらいになったと思います。蓋はアルミサッシで密閉されて雨の日には心強い味方でしたが、あの重さには堪えられずとうとう挫折させられました。私よりさらに上の世代のチェロ弾き達が使っていたケースは更に重く総木造製でした。時々古い写真で見ますが、カッコイイですね!インテリアに欲しいくらいです。
その後、ゲッツ製のケースを使うことを断念した私が次に手にしたのはスイスのマーカンドラー社製のグラスファイバー製でした。このケースは当時は最先端で軽い物でしたが、今の物に比べるとまだまだ重かったです。造りもかなり雑で、内装はスポンジ丸出し、綿のような繊維を吹き付けただけ。その粉が楽器に付着して取れなくなり、とても汚らしいものでした。
わずか5年で縁が欠けて使い物にならなくなりました。

つづく