次にテンポと拍(タクト)の関係についてお話します。テンポに関して、ヨーロッパにはルネサンスの頃から現代とは全く異なった考え方がありました。今、皆さんはメトロノームでその拍子の基本的な音符一つに対してメトロノームの数字を割り当てていると思います。昔のヨーロッパでは前にお話しした脈拍でまず全音符(セミプレウ‘ィス)の長さを決めたのです。これを1小節の長さと言ってしまえば誤解を生むかもしれません。その頃は小節という概念はありませんでした。空間的広がり、または時間的空間の枠、量ととらえたほうがいいかもしれません。これを拍またはタクトといいます。テンポではありません。