ごくわかりやすく説明すれば、映画や写真はフィルムのコマの連続ですね。どんなに表現しようとしてもフィルムから外へ外れてしまっていては物事は成り立ちません。また絵画ではキャンバスからはみ出して絵を描けば、これも芸術とは見てもらえません。まあ前衛芸術ではこの限りではありませんが。実はこの考え方はロマン派や近代に至るまで西洋音楽の中に脈々と受け継がれている伝統のひとつなのです。根底に流れる一つの流れ、つまり時間枠を決める、または空間枠を決める。この感覚がとても大切なのです。