◎定期演奏会

突然ですが、去る5月29日の日曜日、堺市西文化会館ウェスティホールにてビーム ムジカ アンサンブルの定期演奏会がありました。
私はエキストラとして演奏させていただいたのですが、とても立派で楽しいコンサートでした。そしてとても懐かしい思いに浸りながら演奏させていただきました。
今日はその時のお話をさせていただきたいと思います。

ビームムジカアンサンブルとはバイオリン奏者の多田一子先生が主宰され、先生のお弟子さん達を主体として活動する弦楽合奏団です。
残念ながら数年前多田一子先生は病気のためお亡くなりになりましたが、現在は先生のお嬢様がその後を継いで主宰されています。お嬢様もバイオリニストで私の後輩でもあります。活動は主に堺市が中心で定期演奏会のほか、いろいろな催しに参加されるなど、アマチュアの団体とは言え幅広い活動を続けておられます。
そもそも私がビームムジカと知り合ったきっかけは、もうかれこれ30年近くも前になるある日のことです。
その頃私はスイス留学から帰国したばかりで、関西の音楽界のことなど何もわからず、まだ演奏活動も何も始めていない時期でした。
帰国したばかりなので、まずチェロを調整に出すため私のチェロを製作した山本正男さんの所に持って行くことにしました。
その頃山本さんはまだ大阪天満橋の“Bato”という楽器店の職人として仕事をされておりました。独立されるのはそれから5年くらい後のことです。
ちょうどその日、多田一子先生も楽器店“Bato”に来られていて、お店の一室で室内楽の練習をされていました。練習後初めてお会いしたのが、その後長年にわたるビームムジカとのお付き合いになるとは私自身、考えもしませんでした。

初めてお会いした時の多田先生は、とても明るくて溌剌とされていたこと、そして行動力がある方だという印象を受けました。とにかく初対面でビームムジカの演奏会出演を約束させられたのですから。

というわけで私の関西での演奏活動はビームムジカから始まったのです。

つづく