◎ 不眠症

昔から物事にこだわり、物事を深く考え込み、人の些細な言動に深く傷つく、神経質、内気で引っ込み思案の性格であった私は、波はあるものの一貫して不眠症に悩まされ続けてきました。
現在もそうです。
あることが気になりだすと一切眠れなくなるのです。
以前は病院で睡眠薬を処方されていましたが、その効き方には常に恐怖感を抱いていたのです。始めは穏やかに効く物を処方されていたのですが、薬は身体の方が慣れて段々と効かなくなるものです。徐々に強い物になっていくのは恐ろしい事です。
睡眠薬も強い物は服用すると即、気を失うような感じでガクッと眠りに落ちます。まどろみという時間がほとんど無い。
眠りたいのにもかかわらず睡眠薬の作用は恐ろしいので、どうしても服用を躊躇してしまいます。

そんな苦しい時期に出会ったのがヘミシンクのCDでした。
以前もお話ししたようにヘミシンクとはアメリカで開発された音響技術で、左右の耳から違う周波数の音を聞かせることによって生まれる脳波の誤差を利用し左右の脳波を同調させ、意識を変性意識へと誘導します。変性意識とは例えばまどろんでいる状態とか覚醒する直前の意識状態です。その技術を利用してどんな意識状態も作り出せるのです。

私が最初にヘミシンクという言葉を知ったのは、たまたま書店で目にした坂本政道氏というスーパーエンジニアが著した著作でした。《死後体験》シリーズⅠ~Ⅳ。
死後に於ける人の意識状態を、さらに霊界や宇宙までも探索するという大変ショッキングなものです。
たしかベストセラーになった本だったと思います。物質主義一辺倒だった著者がヘミシンクの開発者である音響技術者ロバート・モンローとの出会いによって精神世界に目覚め、意識とは何か?未知の精神(意識)の領域に足を踏み入れていくという大変衝撃的な内容です。
それから氏の本は片っ端から読みあさりました。
それは十四五年前のこと。その頃私は精神的にはかなりの鬱状態にあり、酷い不眠症にも悩まされておりましたので藁をも掴む思いでヘミシンクに興味を持ったというか飛びついたのです。
早速“ゲートウェイ エクスペリエンス”というヘミシンクの基本を体験するCDシリーズの日本語版を購入して聴いてみたのですが、残念ながらどうもナレーターの言っている言葉の意味が良く理解できないのです。
効果も実感し難い(本来はトレーナーに付いて練習するのがベターだそうです)。
次に聴いたのは“ゴーイングホーム”というCDでした。このCDを聴いているとナレーションは相変わらず荒唐無稽な感じがして理解し辛いのですが、ヘミシンク音によって何か気分が落ち着き眠気をもよおすこともありました(もともとこのCDは眠りを誘うことが目的ではないのですが)。
ただ難点は一回毎のエクササイズの時間が短いので眠くなる前にCDが終わってしまうことが多くあるのです。そこで次に手に入れたのは“ディープ10リラクゼーション”でした。

続く