なかにはこうおっしゃる方もいらっしゃるかも知れません。身振りを大きくしないと他の大人数には解りずらいと。しかしそれは違います。それはオーケストラの特に弦楽器奏者の末席の人に至るまでちゃんと息やブレスが取れていない結果、誰かの合図だけに頼らざるを得ないのが現状だ、ということに他ならないのです。
極端に言えば視覚だけで弾いている。ブレスでタイミングを計れていない。
その結果、日本のオーケストラの中には本当のフォルテも極上のピアノもないということになるのです。フォルテはただうるさくピアノはただ貧弱なだけ。