◎ 2 ハッタリと勝負

音楽をランキングの面から見てみると、色々な垢にまみれた人間の醜さが見えてきます。
何でもかんでもランク付けするのが大好きなのは人間界に見られる生存本能に由来する大きな特徴でもあり哀しい性でもあります。
音楽に対しても例外ではありません。
音楽に見られる最大のランキングはなんといってもコンクールではないでしょうか。音楽界はコンクールによって発展するという考え方は、今や世界では常識とも考えられている感さえあります。人に言わせると良い意味での競争心を煽るためだそうです(?!)。それが音楽界を刺激するとでも言いたいのでしょう。
しかし、はたして音楽芸術にとってコンクールは必要でしょうか?表現に競争は必要でしょうか?
私は全然必要ではない、それどころかむしろ害毒にしかならないと思っています。
表現にランクを付けるのは間違いです。良い意味でも悪い意味でも音楽に競争なんかあってはならないことです!音楽は勝負ではありません。
だいいち、音楽は各個人によって感じ方も全く異なるし、それに対して他人がランク付けをし競争心を煽り、個人が個人(団体の場合もありますが)を裁くなどどう考えても理解の範疇を超えているとしか思えません。
そもそも誰にも受け入れられる芸術など存在しないのです。また全人類が否定する表現も有り得ない。
例えば、ある演奏が酷かったと、ほぼ全員が否定する中、たった一人が素晴らしかった、最高だったと褒めたとします。その褒めた人は間違っているのでしょうか?気が狂っているとでも言うのでしょうか?その人を否定し考えを抹殺する権利などあなたにはないはずです!感じ方は自由なのです。その一人の意見は尊重されなければなりません。

続く