◎ 続き

お宝発見も行動無しには有り得ません。散歩するときでも、毎日同じコースばかり歩いていると安心ではありますが、景色も同じで出会う人も同じ。飽きてきますが、ちょっと気分を変えいつもとは違う道を歩くと最初は不安ですが、新鮮な発見や出会いがあるものです。それが楽しみにもなるのです。これは音楽でも同じこと。
とにかく未知の世界に足を踏み込むようなワクワクした気分は音楽にはとても大切ですし、宝石箱を開けるようなあの期待感はいつも持っていたいものです。この感覚は初見演奏によって鍛えられます。
演奏などいつどう展開するかわかりません。なかなか思い通りにはならないものです。言ってみれば初見の積み重ねのようなものではないでしょうか。

次に、初見が上手くなるコツとしては、初見なのですから完璧に弾こうとなど思う必要など決してありません。最初は細かい音符など適当に、弾けそうな音符だけでもまず思い切ってしっかり弾くことが大切です。
アンサンブルなら皆から取り残されず、テンポに乗り遅れないことも大切でしょう。

何事も慣れが必要なように、最初は下手でも初見で弾くことを続けていると、そのうち細かい部分や困難な部分もしっかり弾けるようになるものです。
あとは、それによって楽譜から滲み出る音楽を自分なりに汲み取れば良いだけなのです。
もうひとつ大切なことを忘れていました。
実はこれがとても大切なことなのです。

それは目の良さです。特に動態視力の良さと視界の広さは重要です。
特にピアノの作品など音符の多い楽譜には重要です。

初見の不得意な人を見ていて気がつくのは、どうしても今弾いている音符の少し先までしか見ていない、あるいは見えていない場合がほとんどで、一旦つまづくと大抵は演奏から脱落してしまいます。
理想的には弾こうとしている楽譜のページをひとつの景色、又は絵として楽譜を見られることが大切なのです。
最初は漠然と大まかに見ながらで結構です。その見方ですと、弾きながらでも先の事を頭の中で予定として計画立てることが容易になります。
そのためには視線を素早く切り替えることと視界を十分にとることが大切です。
歳とともに視力は落ち、視界は狭くなります。眼鏡は常に楽譜との距離に合わせた物を使うべきです。