DSCN0067初めて山本さんの工房を訪れたのは1984年も暮れようとしている頃でした。その時には留学先も決まり、ビザの申請のため大阪のスイス領事館へ行ったりしている時期だったので山本さんの工房には行く機会は時々あったのです。
当時山本さんはBATOの工房で修理や販売など普段の仕事をしておられたので、製作は堺市のご自宅でされておりました。普段の仕事を終えてから家に帰り製作を始めるので、開始は大抵夜になります。

私がまずBATOの工房に寄りそのあと山本さんと一緒に堺まで帰ってくるというわけです。
そして私は帰宅できる時間ギリギリまで自分の楽器が出来ていくのを焼酎をいただきながら 眺める(監視する)のです。数回製作現場を見に行きましたが、自分の楽器ということもあってでしょうか期待と緊張感があってそれは楽しい時間でした。なんというか自分の子供が生まれようとするあの時の期待感とかワクワク感とでもいいましょうか、言葉で言い表せばあの感覚が最も近いでしょう。