山本さんのチェロはなぜネックが下がったのか。山本さんのチェロには太くて強いバスバーが付けられていて、表板の張力が高かったことも原因としてあるかも知れません。

とにかくその微調整を適当に出来立てのチェロをまったく異なった環境に放り込んだわけですから、楽器の方がびっくりしたのでしょう。完成はちょうど梅雨時だったのでたっぷり湿気を吸っていたこともあるでしょう。
ネックの下がりより心配していたのは急激な湿度の低下による“割れ”。これが一番怖い。湿度が上がるのを嫌がる人は多いですが、本当に怖いのは乾燥のし過ぎなのです。湿れば乾かしてやればいいのですが、割れてしまえば取り返しのつかないことになってしまいます。エアコンの暖房の風に直接長時間楽器を当てることは厳禁です!

割れやすいのは表板。特にエフ字孔の周辺は簡単に割れます。
チューリヒでは幸い割れが発生することもなく、留学生活を送ることができました。