◎ 時々、我がチェロ教室にも体験レッスンを希望される方が時々来られます。
その中には、どこそこの大手有名楽器店で習っていたという方も結構いらっしゃいます。
私としては、他の教室で習っていたという方よりも、チェロなど触ったこともないという全くの初心者の方を教える方が断然楽です。
習う方も新鮮な気持ちで習うことができるでしょう。

有名楽器店には大看板がありますから、習う方も得体の知れない当教室のような小さい教室で習うよりも、ブランドからくる安心感というか信頼感は絶対あると思います。
しかし、私など有名楽器店付属教室には楽器店ならではの商売的な思惑を感じるのです。習う方としては気をつけるべき落とし穴がある。
まず付属の音楽教室では楽器を売ることに主眼が置かれているということ。生徒を育てることなど二の次。どうも有名楽器店で習った人を見ているとそんなマイナスのイメージを抱いてしまうのです。(すべての楽器店がそうでないことを祈ります!)
これから有名楽器店で習おうと考えている方、特にしっかりしたレッスンを受けたいという方や本当に上手になりたい方は注意してください。

当教室のような小さな教室はどうしても知名度がありませんから、ホームページを見てもどこか胡散臭さを感じるのでしょう。警戒するのかも知れません。

しかしそんなことは言ってられません。小さな教室にしかできないことを頑張ってやるだけです!
何ができるでしょうか?
まず生徒の個性を見極めて教材を選ぶこと。そして各生徒の個性が最大に導かれる指導を行うこと。これしかありません。またこれが小さな教室最大の良さでもあります。親身になって生徒を一人ひとり育てることです。
またレッスンのスタイルもあらゆる面でフレキシブルなところが良いところのひとつでしょう。

他で習ってからうちに来られても全然問題はないのですが、場合によっては、それまでの悪いレッスンで身についた悪い癖を矯正するためのやむを得ない努力を必要とすることもあります。独学の方も同じような流れでレッスンを進めることになるでしょう。
しかし、当教室では無理なく自然で正統的な演奏習慣に移行していくことが可能です。
それは簡単に説明すれば、余りにも酷い癖は(可能な限り)直しますが、それまでに身についた許容範囲内の習慣は今後の上達の妨げにならない程度で活かしつつ新しい物を付け加えていきます。
つまり簡単に言えば、家をリフォームするようなもの、あるいは別の色でマスキングするようなものかも知れません。

先生のなかには、それまで生徒がやってきた事を完全否定し、時には前に習った先生の面目を潰すような発言をしてまで自分のカラーに染め直そうとする方もいらっしゃいますが、それは子供なら可能です。しかし大人の場合、そんなことをすれば何よりそれまでの経験を無視されたというショックを生徒に与えてしまいますし、人によってはやる気を無くさせてしまいます。また完全にいちからやり直すことなど到底不可能なことなのです。そうしようとしたところで一度身についたことなど決してなくなりません。リセットは不可能なのです。それは先生の自己満足に過ぎません。

まず先生にとって大切なことは生徒が先生から習った事をいかに消化できるかどうか、どう活かすことができるかを、いかに生徒の目線になって考えられるかが問題であり、あくまで生徒の自発性や自由意思が尊重されるべきなのです。
生徒は教師の作品ではない、ということです。つまり先生は生徒の手助けしかしてはならないということ。
生徒の方も、いかに先生からいろんなものを引き出せるかという気持ちを持つことが大切です。受け身ではだめです。

堅苦しいことばかり申し上げましたが、どうか“怖がらず、恐れず”に私の体験レッスンを受けてみてください。

以上