◎救世主現る!

ルナ・クレセンテの教室は八年間続きました。バイオリンの他、チェロやフルートも教えました。そして何よりも弦楽合奏が出来たことは楽しい思い出です。やはり合奏をしないと面白くないですからね。
ヴィバルディ、コレルリ、バッハ、ヘンデル、パーセル、モーツァルトなどの合奏曲をやりました。
やがてこの教室も生徒も徐々に少なくなり、会場の家賃を支払うことも困難になり、やむなく閉鎖されることになりました。

ちょうどその頃、私の知り合いが西宮で音楽教室を開くことになり、私に教えに来てほしいとの依頼がありました。幸運にも三宮で残された少ない生徒も一緒に受け入れていただけることになり、西宮市の堀切町で香櫨園音楽塾という名前で再度出発することになったのです。
場所は大谷記念美術館のすぐ側で夙川も程近く、素晴らしい環境でした。
新しい生徒も少しずつ増えはじめ、教室としての形も整い始めた頃、また新たな問題が起こったのです。西宮で教室を始めて二年ほど経った頃でしょうか、私の知り合いである教室の主催者が急病で亡くなってしまったのです。まさに“青天のへきれき”とはこのことでしょう。
当然、教室は閉鎖され、再び安住の地を失った私や生徒達は途方に暮れるばかりでした。
その時、助け舟を出してくれたのは、三宮の教室の時から西宮の時に至るまでずっと私のレッスンを受けていた秋山典子さんという方なのです。

秋山さんのお宅は神戸市垂水区。お宅の居間をお借りして幸いにもレッスンを続けることができました。
2006年のことです。
それから現在に至るまで私は垂水の地で音楽の教育活動を続けています。
もうお気づきのことと思いますが、秋山さんこそ当教室の事務を担当していただいている秋山典子さんその人なのです。
秋山さんには本当にお世話になり感謝しております。