◎ タイプ1
一見天才風

人には無数の顔形や性格、個性があるように、生徒にも色々な個性があります。
今日は私のレッスンにおける生徒の個性のパターンから見た良いレッスンの在り方について考えてみたいと思います。

まずはじめに考えられるのは、良く言えば一を知れば十を知るというタイプ。
これは教える方にとれば一見楽そうに見えますが、実は難しい問題も抱えています。

それはなぜかというと、こういうタイプの生徒は、べつに誰からも教えられなくても自分なりに何となく弾けてしまう事が多く、油断をしていると自己流の悪いくせが身につきやすいという落とし穴があるのです。
このタイプは元々勘が良い、悪く言えば手先が器用で要領が良いだけ、という事が多く(勿論、本当に音楽的な才能が豊かなのもこのタイプですが)、性格的には短気でおっちょこちょい、早合点しやすいという傾向があります。こんな生徒を音楽的な才能が豊かだと勘違いしてはいけません。
しかし正しく導いてやればとても上手になるタイプでもあります。勘の良さや器用さは楽器演奏にとっては大切な要素でもあるからです。
雰囲気だけで弾いてしまう傾向が強く、レッスンとしてはできるだけ基本的なテクニックを確実に身につけるように、進みたいのを我慢して遅いペースで進めます。できるからと焦ってはいけません。音階やアルペジオを全調しっかり音楽的に弾く練習するだけでも確実に基本的なテクニックは身につきます。
課題の曲を選ぶ時は生徒の個性を生かし、多くの作品の傾向を知るため、一曲だけに固執せず、沢山の曲に挑戦するようにすると効果が現れます。
このタイプの生徒は沢山の曲を与えてもついて来ることができます。

続く