しかし、私は別にキラキラ星が悪いと言っているのではありません。例えばモーツァルトは“キラキラ星”でピアノの名変奏曲を作曲しました。しかしそれは初歩の段階で簡単に弾ける代物ではありません。言いたいのは初歩でも簡単で芸術性溢れる曲はいくらでもあるということです。
 その頃私は音楽高校でフルートを専攻しており、かなり難度の高い曲を常にやっていたので、何で今さら“キラキラ星”やねん! と常々思っておりました。生徒の希望を無視して厳しい無意味な特訓、いわゆる“シゴキ”のレッスン、そして芸術的に劣る曲ばかり強要される、それが本当に生徒のためになると言えるのでしょうか?  答えは “NO!”です。