◎1 コーヒーの話

このブログを作成している4月も中旬、まだまだ朝晩寒い日もあり、温かいコーヒーは心身ともに癒してくれます。私の大好きな飲み物でもあります。
ベートーベンもコーヒーは大好きだったそうで、入れ方にもこだわっていました。
ベートーベンというと人嫌いで無愛想、というイメージが一般的ですが、彼は複雑な家庭環境で育ったのにもかかわらず、意外ですが本質的にはとても人懐っこい性格で、若い頃は誰からも愛され多くの良い友人にも恵まれていたようです。その友情は生涯続きました。
その性格を表面的に激変させたのはやはり耳の病であったことは痛ましい話です。
彼は25歳の頃発症した耳の病を苦に30歳の頃自殺を図ろうとしました(一説ですが)。そして遺書をしたためます(これもはっきり遺書とは書かれてはいません)。その内容も本来自分は人と交わることが好きなのに職業柄あえて病気を隠し、あえて人から遠ざからなければない苦悩や自分のふがいなさか切々と綴られていて、読む者の胸を締め付けます。その後、生涯に渡って苦悩と孤高の生活を余儀なくされたベートーベンですが、親友には素顔の自分を見せていたようです。彼の昔からの親友シュテファン・フォン・ブロイニングの息子、ゲルハルトの書いた「ベートーベンの想い出」という本にはベートーベンの晩年の様子が詳しく書かれています。
少年ゲルハルトが父に連れられて尊敬するベートーベンを訪問し親しく付き合う話は現代の私達もウキウキさせてくれます。そこにはあの恐ろしい顔をしたベートーベンの姿はどこにも見当たりません。
基本的にベートーベンは人をもてなすことが大好きだったので、客を招待するレストランも自分で予約します。料理は決まって川魚料理。飲み物はラインやモーゼル産の白ワイン。
ベートーベンの好物は魚と卵です。自分で食べる卵は一つずつ日の光にかざして点検します。もしも腐ったものが混じっていたら、その卵は直接家政婦の頭に飛んできます。
もしも招待客が魚が嫌いだと言うと彼はとても悲しそうな顔をしたそうです。目に浮かぶようですね。
コーヒーも毎日自分で入れます。器具にもこだわり、豆は一杯あたり正確に60粒数えて入れていたそうです。
ベートーベンの時代よりも前、バッハの時代からコーヒーは洒落た人気の飲み物でコーヒーハウスは大人気。ヴィーンを攻めたオスマン帝国が引き揚げる時に残していったのがコーヒー豆だとか。
その頃から現代まで商売上の付き合いがあるので、現代でもドイツやオーストリアは産地から最高の豆を買う権利を持っているのです。ですから今でもドイツやオーストリアで飲むコーヒーは安くて美味いのです。

続く