◎4 続、ビールの話

さて、話は日本のビールに変わります。

ドイツなどではビールはひとつランクが下の飲み物として捉えられているようで、高級なのはやはりワインです。ビールはあくまでも気軽な飲み物(酒であることには変わりがないのですが)。
日本の場合でもとりあえずビールで乾杯ということが多く気軽な酒というイメージには変わりがないようです。しかし“とりあえずビール”という言葉かひとつの単語になってしまったようで、初めて日本に来たある外国人が“とりあえずビール”と聞いて、そんなビールの銘柄か種類があるのだと勘違いして“トリアエズビール”を注文した話は笑い話として有名ですね。

そんなビールですが、炭酸が胃を刺激して意外と酔っ払いますから飲み過ぎには気をつけてましょう。
気軽に楽しむべきビールですが、中には飲み方にこだわる人もいるようです。
ビールなんか自分の好きな飲み方で飲めばいいと思うのです。日本独特の“さしつさされつ”で仲良く飲むのも良し、一人で“あたりめ”を肴に缶ビールをチビチビというのも良いものです。
以前、私の周りにもビールの飲み方や注ぎ方に酷くこだわる人がいました。その方は自分の流儀で注がれたビール意外は決して口にしません。そしてその注ぎ方を他人にまで強要するのです。
その注ぎ方とはある大手ビール会社が推奨している、“三度注ぎ”といわれるもので、初めはグラスに泡をいっぱい立てながら一気に注ぎ、しばらくして泡が落ち着けばゆっくり泡を持ち上げるように注ぎます。最後に極細く細かい泡を持ち上げるようにして注ぎ出来上がりです。
私にすればこんな面倒くさい注ぎ方はまっぴら御免なのですが 、
彼によると、断然違うそうです。確かに最初の一杯か二杯くらいは美味しいですが、酔ってしまえば同じです。自分の飲み方を他人にまで強要するのは、その場を白けさせるだけだと思います。自由に飲めば良いのです。
ビールは自由に楽しく飲めなければビールの存在価値などなくなってしまうのではないでしょうか。

続く