◎其ノ一
下手物喰いと飽食
世の中には奇をてらって普通の人が食べないような変な物を食べたり飲んだりする人を、テレビなどのメディアが取り上げているのを時々目にすることがありますね。例えばさそりを食べたり芋虫などの虫を食べたり…。もううんざりします。将来食料不足は確実に深刻な問題となり、昆虫食に期待が寄せられているとはいえ…気持ち悪いことには変わりありません。
しかし食べている本人は好んでこれらの食べ物を食べている向きもあるので(例えば蜂の子は山の珍味ですし、“いなご”も昔から普通に食べられてきました。しかしこれらを食べるのは下手物食いとは言いません)、他人が独断で一方的に彼等を下手物食いだと決めつけることはできないと思います。したがって下手物と“普通の食事”との線引きは困難になってくる面もあります。
話は変わりますが、最近大食いバトルというのを最近テレビでよく見かけますね!
かわいい顔をした女の子までもがフードファイターとして物凄い形相で競い合って喰らいまくっているのです。
あれなど個人的には大嫌いですね。見ていて気分が悪くなる。フードファイターという言葉の存在自体がおぞましくも感じます。こんな映像をみて、文化国家の放送だと思う人などいるのでしょうかね?
奇をてらった視聴率稼ぎの意図丸出しです。これもある意味で下手物喰いの部類に入るのではないでしょうか?見ていて気持ちの良いものではありません。悪趣味、下品で下手物食いよりもさらに質が悪い。
世界では食べる物もなく、飢餓で命を落とす人は後を絶ちません。日本においても思う存分食べることができない人などいくらでもいるのです。
そういったなか、食べ物を必要以上に喰らう、あのような下らない番組を放送するのは制作者としての良識を疑いますし、世界から三流国、野蛮国と見なされてもしかたがないことでしょう。
”どや!、金があるからこんなことも出来るんじゃ”、とでも言っているようでうすら寒くなるような気分にすらなります。飢餓で苦しんでいる人を嘲笑っているようにも見えます。
自分中心、他人の事はお構いなし、飽食の日本を象徴しているようですね。
少し前までの日本人は米の一粒、水の一滴も無駄にはしなかったものです。“もったいない”精神に貫かれた良き日本人はいったい何処へ行ったのでしょうか?
飽食ということで、こんな光景を見かけたことが一度ならず複数回あります。
とある自動販売機でのこと、何か飲み物を買おうと品定めをしていた時、ふと横を見ると隣の自販機の前にいたあるサラリーマン風の若い男がどうも間違ってボタンを押したようなのです。明らかに自分の希望しない品物が出てきた様子。どうするかな、と思って見ていました。
その時彼が取った行動は何だと思いますか?何と、彼は空き缶入れに今まさに間違って買ったばかりの飲み物を封も開けず捨て、また新たに買い直したのです!
続く
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