今回このチェロはモンタニアーナ風の幅広いボディーで製作されました。その響きは特にC線などコントラバスを思わせるような幅広い音色、ブラームスのソナタ第一番なんかこのチェロで弾けば最高でしょうね。そして中音域は柔らかく、高音域は輝かしく、まさに銘器の名にふさわしい出来上がり!ニスも工夫を重ね、出来上がりはそれは見事なものでした。見事としか言いようがない。
このチェロを注文したのは私の生徒である中学一年生のT君。
これほどの素晴らしいチェロなら、チェロ自ら弾き方を教えてくれます。山本さんの工房で試し弾きをした際、普段弾けていないことが全て出来ていたのには驚きました。更に上のレベルを即目指せます。
恵まれた環境のT君、このチェロを買ってくれた親に感謝し、しっかり練習して欲しいものです。上手くなることが唯一恩に報いることなのだから。
なかにはチェロが買ってもらえず、チェロを習うことを諦める人もたくさんいるし、お金があっても、悪どい楽器屋や悪どい教師のカモになり、ひどい楽器を高額で売りつけられる人も多いということも忘れないで欲しいものです。
山本さんの今後の予定として、今年中にコントラバスを1台製作するそうです。昨日、材料を見せていただきましたが、古くて真っ黒になったものです。多分、物凄いコントラバスが出来るでしょう。そして近い将来バイオリンとヴィオラも作る計画があるとか。
73歳の山本さん、益々意欲的です。
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