さて、“その5”でもお話しした、俳句やモナリザを書き換えるという行為が、音楽では極普通に行われていることを皆さんご存知でしたでしょうか。
いわば、コンサートやCDで皆さんは書き換えられたハイドンやモーツァルトやベートーベンに “似た物”を聞かされているというわけです。
つまりハイドンもどき、モーツァルトもどき、ベートーベンもどき。
信じられますか?

何々“もどき”を聞かされて我々は、ああ美しい、とかモーツァルトはなんて素晴らしいんだ、とか言っているのですよ。
つまり詐欺にあっているのに気がついていないような状態。
これではタイムマシーンを通じてベートーベン達の心にはピントが合いませんね。

演奏者による書き換えられた楽譜をさらに書き換える。元の姿はもうどこにも残っていない、こういったこともざらにあることなのです。
なぜ音楽なら許されるのか