夢は九州へ

さあ、初めての九州交響楽団からのお誘い、それを断るはずがありません。私は喜び勇んで福岡へ参りました。コンサートは福岡の郵便貯金会館で行われました。指揮はレニッケ氏。曲目はハンスリヒター ハーザー氏の独奏でモーツァルトとブラームスのピアノ協奏曲、及びR.シュトラウスの“バラの騎士”組曲というもの。広響では考えられない内容!
その時私は初めてプロのオーケストラの“音”を感じました。

それから九響からは何度かエキストラに呼んで頂きました。その頃九響には数名の大学の先輩方がすでに在籍されておりましたので、程なく先輩方から近々九響にチェロ弾きの募集があるからオーディションを受けに来ないかと誘って頂きました。
その当時現在の妻とはすでに付き合っており、結婚を約束していました。それまで彼女は私が広響の仕事や将来のことで悩んいることを良く知っていて、悩みを理解してくれていましたので、私が九州に行く事に対して素直に応援してくれました。一緒に九州に着いて行くと。
感謝の一言に尽きます。

残念ながら広響は大切な二人のチェロ弾きを失うことになりましたが。

広島交響楽団入団から九州交響楽団へ。
以上が私が人生最初の二つの大きなターニングポイントです。こんな話でも何かの参考となれば幸いです。