暑い日が続いておりますが、皆様いかがお過ごしですか? 

今日は我々中高年の者が日々感じる肉体の衰えについてお話します。

私達はどんな時に歳をとったと感じるでしょうか?
記憶力の衰え、眼の衰え、体が思うように動かない、などいろいろですね。肉体に関することはすべて衰えや不調の訴えであり、さながら重い鎧を常に身に纏いながら生活しているようにすら感じます。

私など実際この数年来、若い頃のようには体の自由が利かず、どうしても肉体という軛のなかで精神的なものとのズレを感じてしまうことがよくあるのです。つまり、自分がああしたい、こうしたいと思っても体はなかなか瞬時には思い通りに動いてくれない。若い頃なら考えもしないようなことをいちいち事細かくコントロールしなければなりません。特にチェロ演奏はそうです。さながら精神(魂)が固い殻の中でもがきながら動いている。そんな感じがするのです。そんな意味で80歳とか90歳にまでなっても、いまだに活動している演奏家の皆さんはほんとに凄いと思います。よほどストイックな生き方をされてこられたのでしょう。自分がこの歳になってみて初めてわかりました。

人の生き方を考えると、こんな思いにふけることがあります。
例えば、昆虫などが羽化するとき固い殻の中でもがき殻を破って成虫になる、そんなのってよく見るじゃないですか。そのもがいている状態。虫ならもがいた後は綺麗な成虫になりますが、私達はもがくだけもがき、もがくことからは解放されることはありません。もし解放されるとすればそれは「死」でしかなく、何も考えず下手に生きていると、もがきながら羽化することなく死んでしまう可哀想な虫のような存在になってしまうかもしれません。
では、人間に於ける羽化とは何か?
それは、自分が死を迎えるその瞬間、ああ自分はよくやった、良い人生であったと「納得」できることであって、後悔や不満ばかり脳裏を過る最後では羽化できず死んでしまう蝉や蝶と同じということになります。
でも結局、人生なんて思い方次第でしかないのではないのか?思い方次第でどのようにもなる。「思い方」そのものが俗に言う天国と地獄の存在という発想につながったのでしょう。天国や地獄は結局、自分が作り上げるのです。人間の考え方や思い癖次第で天国と地獄が別れる。すごいことですね。つまり物質ばかり求めても決して美しく羽化はできないということかもしれません、、、!

話しが脱線してしまいました。思い通りにならない体と付き合っていると、ついそんな事ばかり考えてしまうのです。

さて、今日も鈍くなった左指を鍛えるとするか!