◎ 5 いよいよ親指を弦上に。
まず、3の指(薬指)を第5ポジションのA線のA(ラ)の位置に置きます。親指はまだネックに置いたままです。指は突っ張らずに丸く、1指と2指はF♯とG♯に。この時、小指の付け根や手首がチェロの肩に触れないように注意します。もしも触れるようなら、チェロの構え方をもう一度チェックしましょう。
手首は上がり過ぎないように!
次に手の角度は変えずに、それまでネックの付け根に置いていた親指を弦の上に置いてみてください。置く場所はA線とD線上です。
親指は前にも言ったように爪と肉の境目が弦に当たるように置きます。
この動作、上げたり下げたりを交互に行ってください。慣れてくれば親指はEの音が取れれば良いでしょう。親指の位置が決まれば、今度はEの位置で音が出る位、しっかり叩いて取れるようにします。
次に親指のEから音程を確認しながら順にF♯、G♯、Aと実際に音を出しながら弾いていきます。
正しい音程が取れれば、次に、A(ラ)を押さえていた3指を1の指で押し出すようにH(シ)を取ります。この時、親指はA(ラ)の位置に来ることを確認してください。大切なことはこの動きを決して指先だけで行わないことです。
常に肘から先全体の動きとして行ってください。この時、勢いをつけて移動しないことがポイントです。
移動の感覚を得るためにも、スラーをつけて練習しても良いかも知れません。少々グリッサンドか入っても全然問題ありません。
確認しますと、ます第5ポジションのラ、ソ♯、ファ♯、親指の用意、ミ、ファ♯、ソ♯、ラ、そして親指ポジションのシ、の順番です。
これでめでたく親指の第1のポジションを取ることができました。その後の上行の時の“ポジションとしての指の動き”は基本的に、1、1…とか1、2、1、2…または1、2、3…またはそれらの組み合わせです。場合によっては小指も使います。
下りは同じ道をネックのポジションの時と同じように戻れば良いのです。
階段と同じように上がりよりも下がりのほうが幾分楽に感じられる方もおられるかも知れません。
以上、親指のポジションについてお話ししましたが、実際のレッスンで説明すれば簡単なことでも、残念ながら文章にしてしまえば酷く難しいことのように感じてしまうことは、ある程度しかたがなことです。しかし、いつの日にかもっと文章力を身につけ、ブログにおいても素晴らしいレッスンが出来ればと望む毎日です。
終わり
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