その結果、解決策として生まれたのがミーントーン、不等分平均律といわれるキルンベルガー、ヴェルクマイスターなどの古典調律。そして12等分平均律。いずれも妥協策でしかありません。 音階は矛盾で成り立ってます。ある音程がハモればほかの音程がハモらない。
常に矛盾と付き合わなければなりません。三輪明宏氏のいう“あるものを得ればあるものを捨てなければならない”という『正負の法則』にある意味、共通するものを感じます。
そこで、ある16世紀の学者は、どうすれば何とかチューニングで合奏全体に音律的矛盾とうまく付き合いながら何とかハモらせるように出来ないものかと必死で考えたのが、完全5度の響きを犠牲にして3度の音程をハモらせようとした、助けようとした調律法を考えだしたのです。
具体的に言うと、各開放弦の5度を少し狭く調弦します。その結果、チェロのC開放弦とバイオリンのE開放弦は純粋にハモることになったのです。コントラバスのEも、この方法でハモります。言い換えれば、チェロのCとバイオリンのEを協和させ、その間の開放弦を妥協させたピッチに持ってくる、とでもいいますか。
Comments are closed.