弦楽器を愛する皆さん、山本さんの名前をご存じですか?
彼は私が最も信頼する弦楽器職人で、特にチェロ、コントラバスに関しては彼の右にでる者はいないと言われております。
私は過去に約10年間彼のチェロを仕事で使ったことがあり、留学にも持っていった経験があります。
山本さんは現在、大阪市北区釣鐘町で工房を構えておられます。釣鐘町というと少し分かりにくいかも知れませんが、大阪市営地下鉄谷町線天満橋駅一番南側出口を上がってすぐの所です。10階建てマンションの一室が工房です。何気ないマンションの一室ですが、そこは演奏家にとっては夢のオアシス。色々な楽器や弓が転がっています。
山本さんがこの場所に開業されて27年になりますが、その前は“BATO”という弦楽器店で職人として勤めておられました。
山本さんは富山県五箇山出身。たしか今年69歳になられると思います。集団就職で上京されある楽器工房に入社したと聞いております。
それから工房から独立し縁あって大阪で独立、仕事を始めることになったそうです。
最初は丸一商店の社長からその腕を見込まれて大量のチェロを“kIkU”というラベルを貼って“丸一商店”に納入しておられました。今でも時々そのチェロを見かけることがありますが、安価な材料で作られたのにも関わらず、とても内容のある良い音色がします。
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