私の場合、何か重要なコンサートがあれば、その機会に弦を張り替えるようにしています。
私の場合、今まで使ったことがない銘柄の弦なら大体張り替える時期として、1ヶ月くらい前。
自分がその弦に慣れるという意味もありますし、楽器が弦に馴染む期間も必要です。
使い慣れた銘柄なら2三日もあれば十分です。ただし、ガット弦は伸び率が大きいので、安定するのにもう少し時間はかかります。
そして今回は2月に控えたベートーベンのソナタを弾くコンサートのために、今まで使ったことがない銘柄の弦を張ってみることにしました。
それは、エヴァ・ピラッツイのゴールドです。
ピラストロ社の弦は今まで、フレクソコア、パーマネント、オブリガート、パーペチュアルなどを使ってきました。ノーマルのエヴァ・ピラッツイも使ったことがあります。
このエヴァ・ピラッツィ ゴールドという弦もその他のピラストロと同じように、どちらかというと派手、言い方を変えると金属的な音(スティール弦は金属なので当然ですが)がします。しかしこの弦、他のピラストロの弦よりも倍音が多いというか、複雑な音があります。つまり音が良く伸びる。残響が長いのです。
それまでに使っていたマグナコアアリオーソよりも音は通るので、グランドピアノとの合奏でもピアノに負けることなく響きます。それでいて、しなやかさがあります。
弦の音色は使うチェロによっても大きく異なるので、良し悪しは一概には評価できません。
また、異なる銘柄の弦を同時に使う時、全部同じ銘柄で統一した時も各弦の鳴り方は異なります。
また、全弦を同じ銘柄にしたときに各弦の良さが発揮できる弦もあるし、一本だけ、または二本のみ使用した時に威力を発揮する弦もあります。
または、一本ずつ異なる弦を張っても全然問題ありません。
この弦の場合は統一して使った方が良いかもしれません。
まあ、とにかく弦は次から次へといろんな銘柄がでます。
これは、良い音が出て大きな音がでる、弾きやすい、かつ長持ちする弦が欲しい、といった演奏者のわがままがそうさせるのですが、そんな完璧な物はありません。なにかを得ればなにかを失う。それを胆に命じて弦を選ぶべきです。
弦選びも大変です。
まあ、それもチェロを弾く楽しみのひとつなのですがね。
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