◎ “ヒル”、私が現在所有する このチェロ弓は約4年前に山本ストリングハウス(大阪天満橋)で購入しました。有名な弦楽器職人の玉野氏(故人)の遺品だったそうです。
重さは78グラム。チェロ弓としては少々軽めですが、バランスがとても良く音色も柔らかいので気に入って使っています。
私の音色は音量も少なく柔らかいので本来このような軽めで柔らかい弓が合っているのかも知れません。普段シェフェールの強い弓を頑張って使ってはいますが。
私は今現在とても古いドイツのチェロを所有しておりますが、そのチェロとこのヒルの弓は最高のマッチング。そのオールドチェロがとても甘い音で歌いだします。
しかしモダンイタリーなどのパワフルな楽器ではやはり弓の方が負けてしまいますね。
軽い弓ではパワフルな楽器の個性は引き出せません。
今までヒルの弓は何本も見てきましたが、どれも結構重くて豪弓が多かったように思います。
ヒルの弓職人は何人もいるので製作する作家によって材料選びも異なってくるのでしょう。
ということで私は軽いヒルの弓をバロック音楽を弾く時に使っております。
アマチュアは勿論、プロでも時々楽器や弓は一つしか持たないという方もいますが、少なくとも弓くらいは仕事に合わせて少なくとも2本は持つべきだと思います。どんなものにも使える万能薬のような弓など存在しないのではないでしょうか。何千万円も出せばひょっとしてあるのかも知れませんが、まさかそんな弓でコルレーニョ(弓の木部も使って弦を叩く奏法)などする人などいないでしょう。少なくとも酷使はできないと思います。
終わり
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