今月3月19日、その3日前に全線開通したばかりのJRおおさか東線(放出駅~新大阪間)を利用して、広島にある亡き妻の実家まで行ってきました。
 
その用事というのは、妻が亡くなった後、弾き手もなく実家に保管されていたチェロを引き取りに行くこと。
 
残されていたチェロは2台あって、昨年の12月にまず一台を引き取ったのですが、今回は残されたもう一台の方でした。
 
 
前回引き取ったチェロは傷みが激しく、とても弾ける状態ではなかったのですが、今回のチェロは音に影響するような傷や剥がれは無く、幸い弦を張り替えるだけですぐにでも弾ける状態でした。
 
このチェロは妻が高校生の時に親から買ってもらった物で、彼女が広島交響楽団で弾いている時もこのチェロを使っていました。
Rohtというドイツのチェロです。このロートというメーカーは現在でもあるようですが、1960年代に作られたこのチェロは今の新作のドイツ製にはないとても良い音がします。造りもさすがmade in Germany 、堅牢そのもの。
もちろんモダンのイタリア製のような華やかさや明るさはないのですが、温かくて品のある良い音です。昔、私が弾いた印象では、もっと鈍くて鼻がつまったような音が気になっていたのですが、今回あらためて弾いてみると前は詰まっていた音が良く通り、とても弾きやすくなっていることに驚きました。弦楽器は弾かなくても音は良くなることもあるものなのですね!
わずか8年という年月でも木は熟成されるというか枯れるのでしょうね。これを常に正しく弾き続ければ弦楽器ってどのメーカーに関わらず、ほんとに良くなるもの。
 
楽器は生き物なのです。
あらためて実感しました。
 
このチェロ、早速使っています。
レッスンに手ぶらで来る生徒に弾かせたりして、チェロにとっては第二の人生の始まりです。
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