遂に私のチェロは完成したのです。
完成した日の写真は今でも大切に仕舞ってあります。またいずれお見せすることが出来るでしょう。
さてそのチェロの出来映えは、“素晴らしい!”の一言でした。
イタリア、フランスやドイツの楽器にはない独特の柔らかい音質。予想を上回る出来で、すぐに気に入りました。ただ出来上がりが6月。高温で湿度の高い時期でしたので、ニスがなかなか乾かずケースの形が付いてしまい心配しましたが、柔らかいニスが塗られていたため、とても乾燥しているチューリヒに持っていくとその形が自然に修復され目立たなくなっていました。
1985年7月21日、晴れて私は出来立て真新しいチェロと共に南回り大韓航空機に乗りチューリヒに向かったのでした。
チェロも山本さんにとっては海外渡航第一号作品です。
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