続き
以前に、私のレッスンは厳しいと申し上げましたが、なにがそうさせるのか。それは作品の本質を生徒と共に共有するため、厳しくならざるを得ないのです。私は“もぐら叩き”をする教師ではありません。それとは別の意味で厳しいのです。(ある面ではとても楽しいレッスンですからご安心ください。)
◎ 生徒は先生から全ての曲を習うことはできません。たとえ音大でも4年間でできることなどたかが知れています。それにも関わらず、レッスンでは大曲ばかり教えようとします。卒業しても何の役にも立たないことが多いこともあります。
それでも生徒は自分の道を自分で切り開かなければなりません。
個人レッスンも全く同じです。生徒は全ての曲を習うことはできないのです。
先生にとって、そのために大切なことは、まず音楽に対する考え方、つまり音楽を考えるための考え方を伝えることだと思います。
考え方を教えるのですから、とても難しいことではあります。
そう言うものの、私自身そんな大それたことはなかなかできません。生徒より僅か数十年長くチェロをやっているに過ぎないからです。ですから、あくまでも生徒の目線に立って考えることを心がけていこうと思っています。生徒と芸術を共感共有する。それしかありません。
そのため、教師たるもの引き出しの中身は日々充実させ、常に整理整頓しておくべきです。
続く
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