以前にも紹介したことがある弦楽器製作家、山本正男さんの近況をご報告します。
彼は現在、モンタニアーナモデルでチェロを一台製作中です。
モンタニアーナというのはバロックの時代にイタリアで活躍した製作家で、チェロではストラディバリやゴフリラーとならんでチェロの三大銘器と呼ばれ珍重されています。モンタニアーナの特徴としては、楽器の横幅が広く、したがって音色も幅の広い音がします。特に低音の幅広さはコントラバスを思わせるものがあります。多分、バロックの時代ではソロよりも、むしろ通奏低音などの合奏に用いられることが多かったのではないかと思われます。
そのモデルで山本さんは現在完全な手工で製作を続けています。ペグやテールピースなどの付属品も最高の物を装着させる予定。多分、素晴らしい出来上がりになることでしょう。
昨日(7月26日)の段階ではニスを2回塗り重ねたところで、完成まであと8回塗るそうです。完成は8月になるとの事。完成すれば、またご報告します。
で、その注文主というのは私の生徒の一人で、今年でチェロを始めて三年になる中1のT君。彼は四分の三の分数楽器からフルサイズの楽器に替わる所なのです。
早い段階でこのような素晴らしいチェロで練習できるというのは、ほんとに恵まれていますよね!
ちなみに私が最初に使っていたのはベニヤ板製のチェロでした。なんとも言えない鈍くて嫌な音がする楽器だった記憶があります。
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