そう考えれば、
同じことが音楽にもいえることが明白でしょう。
楽譜でも文章と同じように過去に戻ることが可能です。楽譜を正しく読めた時、私達はベートーベンの歌声を聞くことが出来るし、彼が見た光も感じることが出来る。つまりタイムマシーンの指定席を確保出来るのです。
そのために私達演奏する者には何が求められるのか?
必要なことはまず、素直に楽譜を読むことに尽きると思います。
つまり作曲家と楽譜に対して真剣に、そして謙虚に向き合うこと。
自分のテクニックを見せびらかしてやろう、皆を迫力でビックリさせてやろう、またここら辺で一発“かまして”やろうなどと野心的になってはいけません。そう思った瞬間、タイムマシーンの進路は狂い、その時間設定装置に照準が合わなくなります。
作曲家の意図と奏者の下賎な魂胆とが交わらなくなるからです。両者の気持ちがピッタリ合った時のみ初めて良い演奏となるのだと思います。
それには、
C.P.Eバッハが本に書いているように、まず心から弾くこと!
究極、それに尽きます
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