◎其ノ二
アインザッツを示す
まずは曲の始まりです。曲か始まる前にしっかりカウントする、これは基本です。他の楽器が先に出る時も同じです。曲が強拍から始まる場合、。まず心の中で今から弾こうとする曲のテンポをしっかりカウントします。そして四拍子の曲なら空拍の四拍目、三拍子なら同じく三拍目でブレスを取ります。その時軽く顎を上げてやれば誰にでも曲の開始がわかります。曲中での休止符から再び弾き始める時も同様です。
曲がアウフタクトで始まる場合は少し難しいですが、やり方は同じです。弱拍でブレスを取れば良いのです。
例えば四拍子の曲のアウフタクトが四拍目から四分音符で始まるのなら、三拍目で、四拍目の裏拍八分音符で始まるのなら四拍目の頭で息を取れば良いわけです。
迷ったら歌を思い出すと上手くいきます。歌はどんな時も必ず息を吸ってから歌うでしょう? 吐いてから歌う人なんかいないはずです。実際に声にだしてうたえば良いと思います。
次に曲の開始や途中のフレーズがフォルテで始まる時とピアノで始まる時もしっかり区別します。フォルテなら力強いブレスとアインザッツでビアノなら優しいブレスとアインザッツも穏やかなものに変化すべきです。
曲の出だしはただ単に強い弱いだけではないので曲の雰囲気に応じたアインザッツを研究するべきです。
例えばベートーベンのラズモフスキー第一番はチェロのソロで始まりますが、この場合チェロが頑張って出だしを合図してしまうとチェロの雰囲気を壊してしまう可能性があります。このような場合は2ndバイオリンとヴィオラで示し合わせてアインザッツを取りチェロはそれに乗っかるようにすれば上手くいきます。
オーケストラの場合でも全員がブレスを感じアインザッツを取り合えば、コンサートマスターや各首席奏者が取るオーバーアクションも控え目になり、それによる彼等の音色を壊してしまうということも無くなるはずです。
続く
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