第3話

九響で弾いていたころはこのスイス製のケースを使っていました。その頃使っていた楽器は古いドイツ製のノイナーという楽器でした。
イタリー製に比べると派手さはないのですが、繊細で素晴らしい音色のチェロでした。
やがてその楽器を手放し、大阪の山本正男氏が作ったチェロを弾くことになり、ケースも新たにイギリス製のアルマジロというケースに買い替えました。
このケースはしっかり頑丈に作られているのですがとても重く、首が細く作られていて持ちやすいのですが、この歳になると重くて持ち運びには不向きです。首の細さが原因のネック折れの事故が多かった記憶があります。このケースには今でも我が家にあり、2004年製山本正男氏作のチェロの住家になっています。

ところで、昔のソフトケースにはポケットが沢山ついていましたね。
私のソフトケースにはエンドピン入れなんかもついていました。もっぱらそこには傘を入れていましたが。
弦を入れるポケットはウイスキーのポケット瓶が丁度入る大きさで、旅の時には重宝しました。
荷物が多いと動きにくいので、とにかくケースには何でも入れていましたよ。衣装から弁当まで。横板のくびれにはお握りが!

◎未来のケース

近い将来こんなケースが現れたらいいな!
ケースの内部の温度が一定に保たれるケース(湿度を保つシートはすでに開発されています)。これは雨の日や夏の暑い日に効果を発揮します。こんな経験ありませんか?夏の暑い日にケースを持って外出すると、ケースが火のように熱くなっていて触れない。こんな時、ケース内部はすごいことになっています。時によっては楽器接合部の剥がれやニスが溶けることにもつながりかねません。とにかくケース内部に熱や空気がこもることが楽器には良くないのです。
ケースに換気孔を付けるだけである程度解決出来ると思います。雨の日には閉じることが出来るように工夫すればいいだけの話です。こんな物すぐ出来そうなのですが…
もしかして、すでにこのようなケースが売られているのなら教えてください。

チェロケース今昔