◎ 他に初歩のレッスンに使える曲としてドメニコ・ガブリエッリの二つのチェロのためのカノンがあります。カノンはご存知のように自分だけのタイミングでは弾けません。カノンを弾くことによって他人のことも思いやり、合わせるという合奏には欠かせない力が養われます。
一度弾いてみてください。とても美しい曲です。チェロがまだ伴奏楽器としてしか認知されていなかった時代、よくこんな美しい曲が生まれたものだと感心します。楽譜はベーレンライター社のドメニコ・ガブリエッリ チェロ音楽全集に収録されています。
アンナー・ビルスマの素晴らしい演奏をCDで聴くことができます。

◎ その他、初歩から中級の時期にかけて使える良い教材は、ミシェル・コレットの ソナタ集、“孤独の悦楽”という曲集があります。
これは音楽的にもかなり高度で作曲技法的にもフーガなどの難しい技法が導入されかなり手が込んでいます。
しかし音域は第四ポジションを越えることはありません。
この曲集はソロと通奏低音との二重奏という形になってはいますが、通奏低音のパートもかなりソリスティックに動きますのでチェロ二本でも十分にコンサートに耐えることができます。ピアノとやるならチェロ二本の方が遥かに良いでしょう。
楽譜はショット社から出ています。
何より初心者にとって良いのは、フランス系の作品はイタリアのそれとは違って装飾する音は楽譜にちゃんと書き込まれていることが多く、無理に装飾音を入れる必要がないこと、これは初心者にとっては助かります。
イタリアの作品など装飾音を入れないと音楽にならないということが多いですものね。

以上レッスンに役に立つ良い作品は思い付きしだいご紹介していきたいと思います。

終わり