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11月14日(日)堺市東文化会館にて、このようなコンサートに出演します。
このコンサートは堺市で活躍するピアニストの中牟田豊子さんが中心となって活動する、若いピアニストに室内楽の機会を与えることを主旨とした演奏会シリーズです。私は3年前から、このグループから演奏家として定期的に招かれて演奏させていただいております。昨年にはベートーヴェンのチェロソナタ第一番とバレエを伴ったサン•サーンスの白鳥を演奏させていただきました
今年はラフマニノフの大作、チェロソナタト短調作品19を演奏します。
この曲はチェロソナタとしてはとても演奏時間が長く、30分を優に超える大曲です。ただ単に大曲というだけではなく、非常に演奏が難しいことでも有名です。
では何が難しいのか、それはラフマニノフがピアノ演奏の巨匠であったことから、ピアノのパートにかなりの比重が置かれて書かれているということ、つまりこの曲はラフマニノフ自身によって初演されたことからも分かるように彼のピアノテクニック凄さが縦横に表現されているのです。
そのピアノにチェロの渋い音が対向していく、普通に演奏すればチェロなど現代の鉄骨で出来たピアノという楽器には絶対勝ち目などない。この曲はチェロ10人で弾いて丁度だと言ったある有名なチェリストの言葉も納得できます。
今回、私が表現したいのは、音の多いピアノのパートは、ただ単に音の大きさだけではなく豊かさ、または淡さなのです。音の多いピアノのパート、これをそのまま強さとして弾くのは容易い。
豊かさ淡さとして弾くのはとてつもなく難しいのです。怒鳴るだけでは何の説得力もない、これと少し似ています。大事なことは静かに喋るものですよね?
私は今回の演奏で自分が静かに、どれだけラフマニノフが心に描いた響きを表現出来るか、それに挑戦したいのです。