◎其ノ四
続々、左手の練習

解放弦の簡単な練習が済んだことを前提に話を進めます。

それでは、まず1の指人差し指 から押さえてみます。
まずD線の一番低いE、ミの音を取ってみましょう。
この時のミと解放弦のラの音は完全4度にあたり、完全に共鳴する音です。少しずつずらして一番良く純粋に響く点を探りましょう。同じくG線のラの音も、D線の解放弦レの音で一番純粋に響く音を探します。C線のDも同じようにして合わせます。
次に4の指、小指でオクターブを合わせていきます。まずA線のレの音を隣のレの解放弦レの音で合わせます。同じくD線G線でも同じ手順で合わせます。オクターブのズレはどんなにチェロのことが無知な人でも気が付きますので、しっかり合わせましょう。
これで1と4との指の間隔が決まりました。あと2と3の指は等間隔(単純な意味で)に置くだけです。

次に、指の置き方で気をつけることは、指の形です。まず3の指を弦に直角に置いてみます。そして他の指を3の指に合わせて置きます。例えば3、4、1、2の順で置いてみてください。
この手の形はフラット系の調を弾く時音程がとりやすなります。

次は4の指を弦と直角に置きます。4、3、1、2の順で指を置いてください。
この形は手の形がちょうど低音側に斜めになったような感じになります。ラシド#レやレミファ#ソ、ソラシド、ドレミファなどシャープ系1、3、4の音型を弾く時、音程がとりやすく安定します。
尚、これらの置き方は、各指の方向が手の平の中心に向かって閉じようとすることによる、音程の取り難さにより起因する苦肉の策です。
またこの置き方は第五ポジションより上、親指のポジションに至る1、2、3の指使いの時にも有効です。この場合は2の指が直角になるか低音側に斜めになるかの差になります。
皆さん、いろいろ使い分けて演奏に活かしましょう。

つづく