何かの模様?それとも、包装紙のデザイン?
いいえ、これはあるチェロのエチュードの一ページです。正確に言えばウェルナーチェロ教則本の第二巻に出てくる
ポジション練習及びボウイングの練習です。
この楽譜を見ていると、なんだか目がチカチカしてきますね!
この曲はポジション移動の修練をまず目的に書かれていますが、とても難しいエチュードです。曲はまず第一ポジションから始まります。そして半音ずつ第七ポジションまで上がっていくのです。これは技術的には超が付くほど困難です。聴覚的にも音程を適切に取るのは困難を極めます。音階通り全、全、半、全、全、全、半音の間隔で上下するのならそんなに難しくはないのですが、半音の間隔では音程か広すぎたり狭くなり過ぎたりで最後につじつまが合わなかったりするものです。
こんな時、1の指で始まるパターンは、音階上の音を正確に取っていくようにします。例えばハ長調ならC,D,E,F,,,,のように。
その間のD♭、E♭、G♭、、などの1の指で始まるパターンは弱めに弾きます。
これ以外に正しく音程を取る方法はありません。
このエチュード、弓遣い(ボウイング)も意味なく難しいものがあります。スラーは全て同じかと思いきや、よく見ると所々違えて書かれています。終わりの方、下から4段目あたりからジュテ(跳躍弓とでも言いますか)まででてきます。
ウェルナー教則本には音楽的にもかなり退屈なものが多いですね。美しくないものを美しく弾くという意味でやる、または美を見出だすという意味でやる価値はあるのかもしれませんが、音楽的にも誰が見ても美しく技術の習得のためにも効果的なものが多い他のエチュード全体から見ても、このウェルナー教則本をあえてわざわざ練習する意味を、まだ私には見出だせません。
当教室ではこんな模様みたいなエチュードを弾かされることはありませんので、どうぞ安心してチェロを習いに来てください。
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