その他は、カサドの無伴奏チェロ組曲もとても面白くよくひきます。スペインの無伴奏チェロ曲は珍しいので貴重な存在です。
第1楽章、プレリュード ファンタジア。フラジォレットが効果的。
第2楽章、サルダーナ。スペイン独特の肩を組んで踊る舞曲。
第3楽章、間奏曲・ダンツァフィナーレ
足を力強く踏み鳴らしながら踊る情熱的な曲。曲の終結部分は興奮のるつぼ。
これも林峰男先生が得意とする曲。この曲でも林先生のレッスンを受けましたが、とにかく情熱的なレッスンでした。先生のレッスンではとにかく歌、歌うことを強烈に言われます。中途半端な歌い方ではそれこそ雷が落ちます。この曲もレッスンの時、全曲弾いてくださいました。
長谷川陽子氏のCDでこの曲を聞きましたが、プロデューサーの意図なのか、奏者の“鼻息”が物凄く聞こえます。“ズーーッ”とか“ゴッゴー”とか。鼻炎かと疑うほど。
鼻息で迫力を出してCDを売ろうとしている制作者の浅はかな商売根性が見えてくるようで嫌な気分になりました。
以前にも申し上げたように、ブレスはとても大切ですが、あからさまに聞こえてしまうと、それは雑音意外の何物でもなくなります。その辺、難しいですね。
そのCDの演奏ではフィナーレの最後に楽譜には書かれていないニ短調のアコードがフォルテのピチカートで弾かれています。それもまったく意味不明。
さて雑音ということで思い出されるのはなんと言っても左指で弦を叩く音でしょう。叩くということは発言を助けるためには大切なテクニックなのですが、叩く音を出すことが目的になってはいけないと思います。叩くべきツボや的が合えば“コンッ”といった澄んだ音がしますが叩く的が外れると“バチッ”というとてもうるさい音がします。指の関節だけで叩こうとするとこうなります。言い方を変えれば、弦を叩いているだけで指板をたたいていない。オーケストラでこの叩く音出せば周りの人から白い目で見られること間違いナシです。
私が言っているのは〇〇管弦楽団の“〇〇君”(“〇〇さん”)、あんたの事ですよ!
話が脱線してしまいました。
その他、カサドでは、ヘンデルの“陽気な鍛治屋”のチェロ独奏に編曲した版があります。
テーマは誰でも知っていて、曲調はとてもわかりやすいのに何と弾きにくいのでしょう! 特に第二バリエーションは左手と弓が噛み合わず、フラストレーションが貯まりっぱなし。
皆さん、是非挑戦してみてください。
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