演奏に於ける趣味の話。
 
 
「薔薇の花は嫌い」と言う人はいるかも知れないが、「薔薇の花は汚い」IMG_20171004_140929という人はいないだろう。
 
 
これは私の恩師である林峰男先生がある時、レッスンで仰った言葉です。
これは音楽家だけでなくすべての芸術を目指す者にとっては衝撃的であり重い言葉ですね!
 
これは演奏における趣味についてのたとえ話です。演奏のあり方を端的に表しています。
たとえば、ある独り善がりの
演奏があったとします。つまり、どんなに「自分の趣味だからこれで良いのだ!」と言っても普通に誰が聴いても美しくなければ何の意味もない。音楽、ことに演奏には誰が聴いても美しくなければならない、というラインが必ず存在する、それを踏まえた上で自分の趣味を表現するべきだ、という意味です。
 
「自分さえ良ければ何をしてもかまわない、音楽など所詮独り善がりなものだ。」
このような態度丸出しの演奏は時々耳にします。某○○○○のように!(○の部分は自分で当てはめてお楽しみください。)
 
「自分さえよければ」、悲しいかな、これは音楽だけに限らずどんなことについても人が陥りやすい精神的な傾向ではあるでしょう。自分だけでも助かり種を存続させたいという本能の表れとも言えるでしょう。しかし、だからといっても、少しでもスマートな生き方は目指したいものです。それは美を感じるという人間だけが持つ特性でもあるのですから。
少なくとも自分のプライドとしても!
 
冒頭の薔薇の話は私の座右の銘です。
 
 
ちなみにこの写真は薔薇ではありません。